図書館戦争 第二話

 良化特務機関による図書館(図書基地)襲撃シーンについて少し。
 良化特務機関・図書隊両部隊が相手の殺害より、それぞれ図書の奪取と防衛を優先している点に疑問を持っている方が複数いらっしゃるようです。「戦争目的=相手の殺害」という定義でしょうか。
 もちろんそうである戦争もあるでしょう。ですが、相手の殺害は戦争目的を果たすための手段の一つにすぎません。また相手の殺害が戦争目的の達成に不利を呼ぶ要因となるのなら、相手を積極的に殺害する意味はむしろなくなります。
 両部隊はそれぞれ法律によって立っています。法律は議員が立法します。議員は選挙によって選ばれます。国民受けが悪ければ己の不利を呼んでしまいます。 良化委員会にしても、出版や放送自体を止めることはできません。それが可能なら問題図書は書店に並びませんから。無闇やたらな殺害行為には国民の支持が得られません。双方共に抑制されるはずです。(図書隊は専守防衛ですが)
 襲撃や防衛そのものについては、職務遂行が実施されていることの国民へのアピールにもなるのでなくならないでしょうけど。(捕鯨調査船への抗議活動と同様)


 また、良化特務機関員が自ら身分を隠したり協力者に依頼して館外貸出手続きを踏み、問題図書を安全に確保しようとしない点を疑問に思う方もいらっしゃるようです。……まぁ、問題図書に指定されている本であれば重要な本であるほど禁館外貸出になっている気もしますが。
 もし館外貸出が可能だとしても返却せずに損壊すれば法的に弁償を求められるでしょう。貸出カードを作る際に身分を偽れば私文書偽造罪、協力者に依頼すれば犯罪教唆でしょうか。手続き踏まずに勝手に持出せば窃盗か。発覚した場合、良化委員会は無関係と発表してトカゲのシッポ切りでしょうけど、さほど重要でない問題図書にそれだけのことをする価値があるのかどうか?

追記(4/20)

 本日、別冊Ⅰを第三章まで読みました……窃盗とかのこと書いてあるじゃん。

さらに追記(4/20)

 別冊Ⅰ読了。生クリーム山盛りのケーキとかバターたっぷりのクッキーとか、そんな感じの一冊でした(笑) ゲップ。
 とはいえ、油断したところでのボディブローも含まれてたりして充実。

別冊 図書館戦争〈1〉

別冊 図書館戦争〈1〉